中国メンズスキンケアの「売れる条件」|2026年上半期

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中国コスメ市場、国内ブランドが海外高級勢を逆転

中国版TikTok(抖音)の美容市場では今、韓束・珀莱雅・谷雨といった中国ブランドの存在感が急速に高まっています。あわせて、メンズ基礎化粧品のラインナップも「洗顔・皮脂対策」だけでなく、美容液やエイジングケアまで広がりました。そして、商品を売る方法そのものも変わりつつあります。本記事では、実際に売れているブランドと、その裏側にある売り方の変化を整理します。

金額の記載について
本記事の日本円は、各ブランドが公表・報道された流通総額をもとにした概算値です。実際の決済レート、手数料、為替変動により差が生じます。
本記事で使う中国のプラットフォーム名
抖音(Douyin):中国版TikTok|中国国内向けのショート動画アプリ。購入までを1つのアプリで完結できるEC機能を備える
小紅書(RED):中国版instagram|写真・動画による口コミ共有が中心のSNS。商品レビューや使用感の投稿が多く、購買の参考にされやすい

結論:中国メンズスキンケア市場で起きている4つの変化

1.中国ブランドの存在感が拡大

谷雨 約533億円 (22.6億元)

美白ケアを強みとする谷雨は、海外高級ブランドを上回る実績を出す例も報告されています。

2.メンズ商品のラインナップが拡大

約70.8億円超 (3億元超)

韓束の男性向け皮脂・引き締め美容液の売上規模です。洗顔・皮脂対策中心だった時代から様変わりしています。

3.「KOL頼み」から「自社ライブ」へ

超有名インフルエンサーと値引きによる一気売りから、ブランド自身が語る公式ライブ配信・SNSコマースへ主役が移っています。

4.日本メーカーと相性の良い売り方

研究の裏づけや開発ストーリーを「作った人自身が語る」形式が支持されており、技術力のある日本メーカーの強みが活きやすい環境です。

1.抖音の美容市場で存在感を増す中国ブランド

2025年、抖音の美容市場では中国ブランドの存在感が大きくなりました。代表的な3ブランドの実績は次のとおりです。

韓束(Kans)

2025年1〜11月の流通総額は、概算で約1,649億円(69.9億元)。美容液・洗顔・マスク・男性向けスキンケアなど、複数のカテゴリーで約23.6億円(1億元)超の商品を生み出しています。

珀莱雅(Proya)

成分や研究背景を理解した上で化粧品を選ぶ、30代から特に支持されているブランドです。海外の高品質な化粧品を実際に使った経験から、価格だけでなく研究・技術・品質で選ぶ消費者が増えていることを象徴しています。

谷雨(Guyu)

美白ケアを強みに成長し、2025年1〜10月には概算で約533億円(22.6億元)の流通総額を記録。一部では、海外の高級ブランドを上回る実績も出ています。「中国では安くなければ売れない」という時代ではなくなってきたことがよくわかります。

2.メンズ商品も「洗顔だけ」ではなくなった

男性向け商品も同じ流れにあります。少し前まで、ECや店頭に並ぶメンズスキンケアは「洗顔」「皮脂対策」が中心でしたが、近年は次のようなカテゴリーまでラインナップが広がっています。

  • 美容液
  • 引き締め
  • エイジングケア
  • トーンアップ
  • 日焼け止め
  • 頭皮ケア

韓束の男性向け皮脂・引き締め美容液では、約70.8億円(3億元)以上の売上規模が報告されています。「男性用化粧品はニッチな商材」という認識そのものを見直す必要がある、急成長中の市場と言えます。

3.「KOL頼りと値引き祭り」からの卒業

半年ほど前までの抖音のライブコマースは、数百万〜数千万人のフォロワーを持つ有名インフルエンサー(KOL)と大幅な値引きにより、2時間程度のライブで億単位が動く「一気売り」が主流でした。

しかし現在伸びているのは、抖音・小紅書でのSNSコマースと、ブランドが自社で商品を説明する公式ライブ配信です。化粧品が高機能化するほど、「何が入っているのか」「何が違うのか」「なぜこの価格なのか」という説明が必要になるためです。案件的な紹介ではなく、開発者自身が語る内容や、実際の愛用者によるレビュー・使用前後の比較が、信頼を得やすくなっています。

公式ブランドのSNSコマースでは、創業者や開発者本人が登場し、研究背景や成分について自分たちの言葉で説明するケースが強みを発揮しています。

4.日本メーカーとの相性

この「作った人が語る」という売り方は、日本メーカーと非常に相性が良いと考えられます。日本には、長年研究してきた処方、独自技術、原料へのこだわり、小さなメーカーだからこその開発ストーリーを持つ会社が数多くあります。それを広告コピーだけで終わらせず、「なぜこの商品を作ったのか」を本人が語る形にすることで、中国市場ではそれ自体がコンテンツとして機能します。

日本メーカーにとってのポイント
かつては、多額の広告費がなければ有力なインフルエンサーによるライブコマースは実現できませんでした。しかし現在は、ブランド自身が現地SNSでアカウントを持ち、ショート動画の投稿やライブコマースを行うという選択肢が現実的になっています。研究や技術に強みを持つ日本メーカーほど、自社の言葉で語る売り方との相性が良いと考えられます。

出典・参考

  • 各ブランド(韓束/珀莱雅/谷雨)の公表・報道された流通総額データ
  • 当社による抖音・小紅書での美容カテゴリー動向観察
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