日本のウルトラマンIP、中国市場は最大17倍!
日本のキャラクターIPの中でも、中国で特に大きな存在感を放っているのがウルトラマンです。中国では「奥特曼(Àotèmàn)」と呼ばれ、子どもから親世代まで巻き込む巨大な市場を形成しています。本記事では、権利元企業が公表した数字をもとに、その市場規模と消費のされ方を整理します。
本記事の日本円は、2026年8月29日の中間市場レートをもとに、1元=約23.79円で概算しています。実際の決済レート、手数料、為替変動により差が生じます。
結論:中国のウルトラマン市場で押さえておきたい3つの数字
1.ファン数は日本の約25倍
中国 約1億人円谷フィールズホールディングスの中期経営計画によると、ウルトラマンを中心とする円谷IPの推定ファンベースは、中国が約1億人、日本は約400万人です。
2.市場規模は日本の10〜17倍
約1,500億〜2,500億円2022〜2025年の中国における推定市場取扱高です。同期間の日本の推定約150億円と比べ、桁違いの規模です。
3.親子2世代のファン層
1990年代からテレビ放送されてきたため、「子どもの頃に見ていた親」と「今夢中になっている子ども」の2世代がファン層を形成しています。
1.ファンベースは中国が突出
円谷フィールズホールディングスが2026年5月に発表した中期経営計画によると、ウルトラマンを中心とする円谷IPの推定ファンベースは次のとおりです。
| 地域 | 推定ファン数 |
|---|---|
| 中国 | 約1億人 |
| 東南アジア | 約5,000万人 |
| 日本 | 約400万人 |
中国では人口のおよそ7%がファンと推定されており、日本の約400万人に対して約25倍という規模です。中国では1990年代からウルトラマンがテレビ放送されてきたため、この1億人には子どもだけでなく、子どもの頃に見ていた親世代も含まれていると考えられます。
2.関連商品市場は日本の10〜17倍
ファン数以上に際立つのが、関連商品の市場規模です。円谷フィールズホールディングスによると、2022〜2025年の中国におけるウルトラマン関連商品の市場取扱高は、推計で約1,500億〜2,500億円。一方、同期間の日本は推計で約150億円です。日本のおよそ10〜17倍もの規模で、中国ではウルトラマン関連商品が動いていることになります。
3.子どもの間で広がる「ウルトラマンカード」
中国の子どもたちのウルトラマン人気を象徴しているのが、「奥特曼卡片(ウルトラマンカード)」です。中身が開けるまで分からないカード商品(いわゆるブラインド商品)が子どもや青少年の間で流行しており、その代表的なIPの一つとしてウルトラマンが挙げられます。
現地報道では、こうしたカードが子ども同士の会話のきっかけになっている実態も紹介されています。「どのカードを持っている?」「これと交換しない?」といったやり取りが、学校でのコミュニケーションツールとして機能しているというものです。この現象自体は、かつて日本でも見られたカード収集文化と重なる部分があります。
4.「組み立て式フィギュア」というもう一つの市場
カードと並んで存在感を持つのが、組み立て式フィギュアです。中国の玩具メーカー・布魯可(Blokees)は、ウルトラマンIPを使った商品を大規模に展開しており、完成品を買うのではなく、パーツを自分で組み立てて完成させる商品形式が支持されています。同社は2025年だけで29のIPを商品化しており、その主要IPの一つがウルトラマンです。
5.非正規品の多さも、人気の裏返し
円谷フィールズホールディングスは、2026年3月期第1四半期の決算資料で、中国においてウルトラマンIPの人気を背景に非正規品が頻発しているとして、現地パートナーと取り締まりを強化していることを明らかにしています。
偽物の流通は望ましいことではありませんが、非正規品を作ってでも売ろうとする業者が現れ、権利元が対策を強化しなければならないという状況そのものが、中国における需要の大きさを物語っていると言えます。
中国では、正規のキャラクター商品・コラボ商品への需要が非常に大きい一方、非正規品対策も避けて通れない課題です。日本発のキャラクターIPやそれに紐づく商品を中国市場に展開する際は、正規ルートでの流通・通関の仕組みを整えることが、ブランド価値を守りながら需要を取り込むうえで重要になります。
出典・参考リンク
- 円谷フィールズホールディングス株式会社「グループ中期経営計画 FY2026-2028」
- 円谷フィールズホールディングス株式会社「2026年3月期 決算概況」
- 円谷フィールズホールディングス株式会社「2026年3月期 第1四半期決算概況」
- BLOKS GROUP LIMITED「2025年度報告」
- 人民網 関連報道各種

